硬化療法/ジオン注四段階注射法

■ これまでの硬化療法(パオスクレー)

これまでの硬化療法は、出血が主な症状で、肛門の外に脱出しない痔核「第1度」や排便時に脱出するが、排便後自然に元に戻る「第2度」などの初期の内痔核や軽度の脱肛に対して行われました。
5%のフェノールアーモンド油などを痔核に注射し、表面を繊維化させ固めてしまうもので、数ヶ月で効果がなくなる場合もあり、根本的な治療法ではありませんでした。

■ ALTA療法(ジオン注)とは

ジオン注とは硫酸アルミニウムカリウム及びタンニン酸を主成分とする新しい痔核注射法で、平成16年7月に承認されました。
特に「第3度」の内痔核(脱出後、手などで押し込まないと戻らない痔核)や従来は手術による治療が行われていた「第4度」の内痔核(排便と無関係に常時脱出している)に適応します。
外痔核、裂肛、痔ろうには使用できません。

■ ALTA療法(ジオン注)の投与と作用

従来の硬化療法とは異なり、1つの主痔核に対して4箇所に分割して注射する「四段階注射法」というより高度な手技が必要となる方法です。ジオン注四段階注射模式図

左図のように、薬液を4箇所の部位(①上極部粘膜下層・②中央部粘膜下層・③粘膜固有層・④下極部粘膜下層)に分割して投与します。これにより痔核内の血流が低下し、炎症が起きます。数週間後に炎症作用の修復反応による繊維化により、痔核が硬化退縮します。
尚、この治療に関しては、3~5日程度の入院が必要となります。ジオン注の注射療法では、合併症の発現率が高いので、必ず適切な部位に適量を投与できる技術が求められ、この治療を施行できるのは、講習を受け認定された、限られた医師のみです。

◇ ALTA療法(ジオン注)のメリット

肛門の痛みを感じない部分に注射をするため、痔核を切り取る手術より痛みが少なく患者さんの負担の軽減 及び入院期間が短縮されることなどから、社会生活への早期復帰が可能となります。

◇ ALTA療法(ジオン注)の副作用

ジオン注の注射療法における主な副作用は下記のとおりです。
    ・ 一過性の発熱、血圧低下、頭痛、吐気など

◇ ALTA療法(ジオン注)の課題

手術と従来の硬化療法との中間に位置付けされるもので、1年後の再発率も16%(手術による再発率は2%)と高く、今後の研究課題のひとつになっています。再発に対しては、再度硬化療法を行うか、その他の治療法を選択することになります。

  • PPH療法
  • ジオン注-硬化療法について
  • 輪ゴム法による痔の手術

ジオン注症例

痔の予防法・痔の痛みを和らげる方法

軟膏や座薬などの外用薬や痛みを緩和する内服薬を医師にご相談ください。